世界中の天文ファンが憧れるニュージーランドの星空
南十字星を頼ってこの国に辿り着いた人々
ニュージーランドでは、雲が出ていない夜にはちょっと外へ出て、星空を見上げてみてください。思わずため息が出るほど、明るく輝く天の川(写真1)が頭上に広がっているはず。南半球でしか見えない珍しい星や星座を眺めながらマオリ神話に耳を傾けるという夜の過ごし方も、この国ならではの体験です。
一年の中で最も空気が澄み、日没時間が早まる冬は、星空観測のベスト・シーズンです。暗い夜空が明るくなるほどに、星空が一段と輝きを増します。寒い中でも、頭上に広がる満天の星空が心を温かくしてくれるでしょう。
年間を通して南の空に見える南十字星(*写真2、3)は、ニュージーランドの星空を代表する星です。先住民族マオリの人々をはじめ、キャプテン・クックやヨーロッパから船で渡ってきた先駆者は、この星を頼りに方角を探してニュージーランドにたどり着きました。
また、日本で「昴(スバル)」として知られる一群の星は、「マタリキ」と呼ばれる新年のシンボル。マオリの人々は、毎年5月の終わりにマタリキが北東の水平線上に瞬くまでに必要な食料を備え、家族で収穫の喜びを分かち合い、新年を迎えます。現在も年に一度、全国各地でマタリキの伝統を祝う祭りが開かれています。

知る人ぞ知るオーロラ観測の地
「大自然の宝石箱」と形容されるニュージーランドの星空。日本では見られないエータ・カリーナや大小マゼラン星雲、運が良ければ大彗星(*写真4)の観測も夢ではありません。光害や空気の汚染が少ないニュージーランドは、星空観測に最適な国として、世界中の天文ファンの間で知られています。
一方、まだ一般的には知られていない夜空の神秘も存在しています。それは、オーロラ(*写真5)。北半球でしか見られないと思われがちなオーロラですが、実はニュージーランドでも観測できるのです。特に、緯度が高く空気の澄んだ南島南部は、オーロラ観測に適したスポットです。
この国で見られるオーロラは、地平線の辺りに赤味がかった色で現れるのが特徴。北欧やアラスカと違って、ニュージーランドの陸地はオーロラが活動する楕円の真下に位置していないためです。夜空を明るく照らす自然の神秘を体験してみませんか?
南島南部、テカポにある小さな湖畔の街では、日本人による星空観測ツアーも行われています(*写真6)。世界最南端のマウント・ジョン天文台で、ガラス張りの観測ルームに寝転がり、南半球でしか見られない星座、南十字星の見つけ方などを教えてもらえます。






