第6回 ブレディスローカップに見る、オールブラックスの強さの秘密
1932年から続く歴史ある国際試合
ラグビーワールドカップ2011の優勝本命チームといえば、やはりホスト国のニュージーランド。そしてそれを追うのがお隣のオーストラリアでしょう。ニュージーランド代表チームが「オールブラックス」の愛称を持っているのに対し、オーストラリア代表は「ワラビーズ」というチーム名で親しまれています。
現在、世界ランキング1位のオールブラックスと2位のワラビーズは古くからよきライバル同士。この2チームが対戦する試合はRWCを除き、すべて「ブレディスローカップ」を呼ばれ、毎年通算勝利数の多いほうに優勝杯が授与されます。ブレディスローカップは1932年(1931年という説もある)から続く歴史ある国際試合。その名称は初回に優勝杯(カップ)を授けた第4代ニュージーランド総監のロード・ブレディスロー(在任期間は1930~35年)に由来しています。これまでの対戦成績はオールブラックスが37回(1931年を含めると38回)、ワラビーズが12回。近年では2003年以降、ずっとニュージーランドが優勝杯を保持しています。
ブレディスローカップの試合回数は年4試合(2008年以降)。そのうちの1試合は海外プロモーションのため、ニュージーランドとオーストラリア以外の国で開催されます。2010年のブレディスローカップは第1試合が7月31日にメルボルンで、第2試合が8月7日にクライストチャーチで、第3試合が9月11日にシドニーで、第4試合が10月30日に香港でそれぞれ開催されました。今回はクライストチャーチを舞台にした第2試合を振り返って、オールブラックスの強さの秘密を探ってみましょう。


強力なディフェンス力と熱いサポーターの存在が強さの源
2010年8月7日の試合当日、全国民が注目するビッグゲームとあって、クライストチャーチは大盛り上がり。街中が真冬の寒さを吹き飛ばす勢いの熱気に包まれているかのようでした。
満員御礼となったAMIスタジアムでニュージーランド時間の午後7時35分に始まった試合は、ワラビーズが早い攻撃を次々と仕掛けましたが、オールブラックスが確実にディフェンスで仕留め、20対10でオールブラックスの勝利! ムリアイナ選手、スミス選手がトライを決めるなど圧倒的な強さを見せ、カーター選手のミスでワラビーズに1トライを許したものの、ほかは隙のないプレーを展開。2戦を残して2010年もオールブラックスがブレディスローカップを獲得することになりました。
この日のゲームで印象的だったのは、オールブラックスのディフェンスの強さです。相手の攻めに素早く対応する安定感ある守備力を、RWC2011でも大いに発揮してくれることでしょう
また、オールブラックスの強さのもうひとつの秘密といえるのが、熱心なファンの存在です。この日は夕方4時から大聖堂前の特設ステージで試合前のイベントがスタート。ハカやコーラスのほか、日本からも我武者羅應援團が応援パフォーマンスを行い、大勢の人々を沸かせました。
午後6時になるとカウントダウンが始まり、ファンが一斉にAMIスタジアムを目指して歩き始めました。今回は市の呼びかけで大聖堂スクエアからスタジアムまでの道が歩行者天国となり、応援しながら歩いて向かうという特別イベントが開催されたのです。試合開始前からサポーターたちの熱烈な声援を浴びるオールブラックス。老若男女すべての国民のヒーローであるという誇りが、選手たちに力を与え続けているようです。


