春といえば、お花。お花といえば……ガーデンめぐり

春といえば、お花。お花といえば……ガーデンめぐり

手つかずの自然が魅力のニュージーランドですが、人々は自分好みに自然に手を入れるガーデニングも大好き。ガーデン見学も圧倒的な人気です。プロ、アマチュアの園芸家が集まった組織、ニュージーランド・ガーデン・トラストは、庭の見せ方、造園設計、樹木や植物のバラエティーの観点から、ビジターが楽しめる要素をそなえていると認められた庭園を、公有・私有を問わず、六ツ星から三ツ星まで4段階に格付けしています。

普段は公開されていないガーデン訪問で目の保養

ニュープリマスと周辺の町に点在する、こうした「お墨付き」が与えられた庭園はもちろん、オーナーが丹精込めて手入れをした自慢の庭の数々が見学できるイベントが「タラナキ・ガーデン・スペクタキュラー」。開催時のみ特別に公開されているところもあるので、見逃せません。2016年には初参加の10軒を含め、全部で45ヵ所が門戸を開いています。十把ひとからげに「ガーデン」といっていますが、各々個性的。今年初登場のところ、このイベントお馴染みのところを取りまぜて、ここに少しご紹介しましょう。

Te Kainga Marire(ニュープリマス)


Photo © Rob Tucker

ニュージーランド・ガーデン・トラストから最高位の六ツ星を冠されている、この国唯一の私有ガーデンがここ。原生の鳥たちの天国にしたいと、600坪強の庭にこの国独特の自然の生態系を再現しています。草原帯、湿地帯、高山帯で見られる草花や、多種多様な木々が訪れる人を迎えてくれます。濃淡さまざまな緑に目を休ませ、遊びにやって来る鳥、トゥイのさえずりに、ほっと一息。先住民マオリの言葉で「テ・カインガ・マリレ(平和な宿営地)」という名そのままの穏やかなひとときが過ごせます。

住所 15 Spencer Pl., New Plymouth
電話番号 06-758-8693
ホームページ http://www.tekaingamarire.co.nz
※タラナキ・ガーデン・スペクタキュラー以外の期間も開園。9~4月の間の9:00~17:00

Hirst Cottage(ニュープリマス)


Photo © Jane Dove Juneau

モダンでシンプルさを追求した庭と、1862年に建てられたクラシックな母屋とがうまく調和し、おしゃれなガーデンの見本といった感があり、インテリアやガーデンの専門誌にもよく登場しています。香りがよく、純白が美しい花々を特に選び、明るい中にも落ち着きを感じさせます。古木であるために保護されているカシ、イチョウ、そしてクリスマスの時期に真っ赤な花を咲かせることから、「ニュージーランドのクリスマスツリー」とも呼ばれているポフトゥカワが色を添えます。

住所 94 Pendarves St., New Plymouth
電話番号 06-769-9244

Himalayan Garden of Tranquility(ニュープリマス)


Photo © Jane Dove Juneau

2016年初お目見えした庭の中でも注目株。オーナー夫妻はインド北部の出身で、幼少時代に目にした景色を心に留め、庭を創り上げました。地元の有名造園設計家によるデザインをもとに、自らの手で約1,000もの植物を植え、育て上げたそうです。植物学博士の夫人が知識を生かして選んだ、四季によって色や趣を変える、個性的な植物ばかり。よい香りを漂わせた、色鮮やかな花々に囲まれ、ヒマラヤ地方の風景を想像してみてはいかがでしょうか。

住所 19A Horizon Heights, New Plymouth
電話番号 027-511-6591

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Campbell Garden(オプナキ)


Photo © Jane Dove Juneau

オプナキはニュープリマスからサーフハイウェイ45を南下、車で1時間弱のところにある町です。草木や花々の特色を考慮に入れて創り上げられた庭が印象的です。春に訪れると、迎えてくれる色とりどりの花に、思わず顔がほころんでしまいます。敷地内には家庭菜園、果樹園などもあります。手入れが行き届いた、広々とした芝生ではピクニックをすることもできるので、お天気がよければ、お弁当持参で訪れるのも手。タラナキ山の雄大な眺めも楽しむことができます。

住所 692 Patiki Rd., Opunake
電話番号 06-761-7334

{mosmap address='692 Patiki Rd., Opunake, New Zealand'| zoom='15'|text='Campbell Garden'}

Coast Heaven(オカト近郊)


Photo © Jane Dove Juneau

ガーデンというと、緑の芝生を敷き詰めたところに色とりどりの花が咲き乱れる情景を連想しがちですが、ここは波が迫る海辺に広がるのが魅力の庭です。潮風に吹かれる中、野性味を帯びた草花は生命力にあふれ、独特の美しさがあります。ヒガンバナ科の植物、チャタムアイランド忘れな草、ヒナギクが、波打ち際に花を咲かせます。2016年初お目見えのこの庭はニュープリマスからサーフハイウェイ45で南下し、オカトを過ぎた、車で約30分のところにあります。

住所 372 Stent Rd., Warea
電話番号 021 527 494

{mosmap address='372 Stent Rd., Warea, New Zealand'| zoom='15'|text='Coast Heaven'}


Photo © Powerco Taranaki Garden Spectacular

タラナキ・ガーデン・スペクタキュラーは毎年10月末から11月上旬にかけて行われています。開催時には、ガーデン見学以外にもイベントが盛りだくさん。公有の公園での特別ガイドツアー、ガーデニングのワークショップ、有名シェフの料理の実演などが行われます。中でも毎年期待を裏切らないのが、ランドスケープ・デザイン・プロジェクト。2016年には、自然美に一工夫を加え、さらにその美しさを引き立てた、『ロスト・パラダイス』と題された、平和で静かな空間が誕生しました(上の写真)。

Taranaki Garden Spectacular
電話番号 0800-746363(ニュージーランド国内のみのフリーダイヤル)/06-759-8412
ホームページ http://www.gardenfestnz.co.nz

イベントを逃しても大丈夫! 市内の2公園はどちらも五ツ星

ニュープリマス市内にある、規模の大きな公園2つといえば、プケクラ・パークとトゥパレです。どちらもニュージーランド・ガーデン・トラストから五ツ星を得ています。とはいっても、入園料を取られるようなこともなく、ビジターも市民も好きな時にちょっと立ち寄って、緑に心和ませることができる気軽さが魅力です。趣や成り立ちは各々違いますが、どちらもウォーキングや散策にはもってこい。四季折々の美しさを楽しむことができます。

Pukekura Park & Brooklands Park


Photo © New Plymouth District Council

ニュープリマスの街の中心部にあることを忘れてしまいそうになるのが、1900年代後半に創られたプケクラ・パークです。隣接するブルックランズ・パークとあわせると約50ヘクタール。東京ドーム1個分の大きさに相当します。

プケクラ・パークの中心を成すのがファウンテン・レイクとメイン・レイクの2つの湖で、これを縁取るように設けられた散歩道が定番コースになっています。ファウンテン・レイクには、自分でボタンを押して作動させるシステムの噴水があります。この湖沿いにあるジャパニーズ・ヒルサイドと名づけられたエリアは、三島市との姉妹都市関係を祝って造られたもの。紅葉やツツジなどの日本の植物が、赤い鳥居を囲むように植わっています。また、メイン・レイクと反対方向に進むと、大人でも遊びたくなるような遊具のそろった遊び場があります。

ファウンテン・レイク寄りのメイン・レイクには滝やカフェがあります。滝もさることながら、近くに立つ、力強い生命力を感じさせる巨木は必見です。カフェ付近から、天気のよい日、競走馬の名を取った赤い橋、ポーエッツ・ブリッジ方向を見ると、木々の向こうに、タラナキ山が顔を出しているのが見えます。写真におさめるのにぴったりな、ニュープリマスならではの風景です。メイン・レイクには夏になると貸しボートも出、賑やかになります。

湖沿いの散歩道からそれ、カフェ横のフジの古木を横目に奥に入っていくと、ファーナリー(シダ園)があります。とはいっても、この温室にはシダだけではなく、色とりどりの花々が1年を通して咲き乱れています。ファーナリーからさらに奥に行けば、夏場スイレンが美しく花開く池があります。

園内のブルックランズ・パーク寄りにはボウル・オブ・ブルックランズがあります。この野外コンサート場は、大物アーティストのコンサートが開かれることで有名。今までに、エルトン・ジョン、フリートウッドマック、REM、ジャック・ジョンソンなどが公演を行っています。横にある蓮池には、当地出身の有名アーティスト、マイケル・スミザーによる『ザ・クラウド(雲)』と題された彫刻が鎮座しています。

隣接するブルックランズ・パークにもぜひ足を延ばしたいものです。クンミン・ガーデンと呼ばれる中国式の庭園のほか、遊び場も併設するブルックランズ・ズーもあります。小規模ながら、カワウソ、サル、ミーアキャット、トカゲなど、小動物を見ることができます。大型ケージでは、飼われた鳥が中を自由に飛びまわれるようになっています。ケージに入って、カラフルな羽の鳥たちを間近に眺めるのもお薦めです。

ズーを過ぎ、ブルックランズ・パークをさらに奥に入っていくと、樹齢2,000年といわれているプリリの大木があります。幹の周囲は6メートル以上、高さは25メートルを超えるこの木は、ニュージーランド原生の常緑樹。ここも写真撮影にはもってこいです。

プケクラ・パークでも、ブルックランズ・パークでも、散歩コースがありますが、それに沿って歩くだけでなく、思いのまま、あちらこちらと歩くのは楽しいものです。時には横道にそれて、迷ってみるのもよし。鬱蒼とした生い茂る木々の只中で立ち止まってみると、静けさの中に鳥たちのさえずりだけが聞こえ、心穏やかになること請け合いです。

住所 Fillis St., New Plymouth
営業時間 年中無休

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Tupare


Photo © Steven Wooster

1900年代前半に一個人の屋敷として誕生しました。4ヘクタールに近い敷地内に入り口から入ると、斜面を下る何本かの散歩コースが設けられています。機械生産による量産品ではなく、昔ながらに熟練職人の手でコツコツと造り上げることをよしとしたアーツ・アンド・クラフツ運動の影響を受けた家、トゥパレ・ハウスを目指し、遠景を楽しみながら下っていきます。トゥパレ・ハウスではそのときどきで展覧会のほか、5~10月の月はじめの日曜日には、ハイティーと呼ばれる、お菓子とお茶をいただくティータイムが開かれています(要予約)。

トゥパレ・ハウスとその周囲はとてもロマンチックで、結婚式を挙げるカップルも多くいます。当時この屋敷の主によって植えられたセコイア、ブナ、モミジといった木々が芝生に影を作り、池の水面に姿を映しているのは、とても優雅な景色です。当時植えられ、精魂込めて育てられたシャクナゲ、ツツジ、アジサイは、今も色あせずに私たちの目を楽しませてくれます。

園内で一番の低地まで来ると、ワイファカイホ川の目の前です。バーベキュー用の器械が2台しつらえられていて、無料で自由にバーベキューが楽しめるようになっています。使用後はエチケットとして、きれいに掃除をしていきます。ここでおなかをいっぱいにし、ゆっくり川のせせらぎに耳を傾けたり、水遊びをしたりして、リラックス。帰りの上り道を歩く時は、来た道を戻るのではなく、別のコースを歩いてみると、また新しい発見があるはずです。

住所 487 Mangorei Rd., New Plymouth
営業時間 年中無休 9:00~17:00
ホームページ https://www.trc.govt.nz/gardens/tupare/

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