ダニーデンを拠点に 星空の下で見える様々な天体現象 [後編]

ダニーデンを拠点に 星空の下で見える様々な天体現象

南天の夜空には、 色々な天体現象と大気光学現象が見えます。 夜空の下にいるといつ何時、リアルタイムで何に遭遇できる幸運が訪れるか分からないものです。 今回は前回に引き続き、 観測できると嬉しいと思われるものを幾つか紹介します。

星空の下で色々楽しもう

南島にあるダニーデンでは、華やかに咲く花や生い茂る木々の葉、積雪や凍結した湖など四季によってダイナミックに変化する自然を味わうことができます。そして、1日の中にも四季があると言われる天候が、時には霰や雨の後に雲一片ない晴空になるなど、極端な変化を見せてくれたりします。風の強さも台風並みで、木が這いつくばるかのように姿勢を低くして生えていたり、自然と気候の織り成すダイナミックな景色が数多くあります。空気もとても綺麗で、空気が澄んで淀みの少ない夜も多く、世界屈指の暗さをも備えるダニーデンは、天体観測に向いています。そして、天候の変化に合わせて見える大気 現象も多くあります。

月(月夜・月の満ち欠け・地球照)

地球から一番近い天体である月。その美しい姿は、古くから花札の絵札となったり、十五夜の夜に月見をしたり、一番観測しやすく、地球上すべての人々にとって親しみ深い存在です。 月の出と月の入りは、いつ見ても美しいものです。満月になると、夕方に美しい月が東の地平線から顔を出すのが見えます。 そして、月の満ち欠けが日々進んでいくのを 毎晩眺めるのも一興です。

人工の灯りによる光害の少ないダニーデン郊外では、新月での暗さ、満月の眩しいほどの明るさから、常日頃どれほど月明かりに照らされているのかがわかります。 また、太陽が直接当たってない、欠けて見える部分が、薄く見えることがあります。それは地球照と呼ばれ、地球の表面に反射した光が月に届いている状態です。


満月の月夜で遊ぶ青年(ダニーデン)


朝日の中の月と地球照(ダニーデン)

スーパームーン (Perigee full moon)

月は、地球の周りを楕円軌道しているので、地球に距離が近い時もあれば遠い時もあり、近い時は遠い時に比べて5万キロより近くにあることから、大きい満月が見られ、スーパームーンと呼ばれています。実際に大きくて、満月の月光も更に明るくて、迫力があり見応えがあります。天文学界では近点満月(Perigee full moon)と呼ばれている月が近いから起きる現象は、最近ニュースでも取り上げられる機会が増えて、人々の楽しみになってきています。


スーパームーンとロイヤルアルバトロス(ダニーデン)


スーパームーンと牧場の入り口(ダニーデン)

月食

皆既月食の際には太陽の光が月に届くのを地球が遮るため、辺りは暗くなり、オレンジ色や赤に光る月が見えます。今年の皆既月食は、 2月1日に一度あった他、もう一度7月28日の早朝に あります。 朝6時半近くからさらに暗くなり、7時半にもう一段階月が暗くなりますが、8時3分にピークを迎える皆既状態は、数分後には月の入りとなるので、月が沈む中での月食となります。 日本とは違う時間帯ですので、ご覧になる時はお見逃しのないように。ニュージーランドの絶景の中で見る月は一興ですので、とっておきの場所で月食と朝日をご覧ください


皆既月食(アオラキ・マウントクック)

月暈(Halo)

満月などの月の光が強い夜、 大きな光の輪が月の周りに現れる大気現象があります。 月暈(つきがさ)は、 空気中に存在する氷晶に光が屈折することによって起きる現象ですが、月夜に薄い雲がかかった時に時折見えます。 また、月暈は一般的に内暈と呼ばれる半径22度の少し小さめの輪や、外暈と呼ばれる半径46度の大きめの輪が多いものの、それ意外にも色々な大きさと形でも現れ、光源を中心に複雑に重なり合うこともあります。


月暈(ダニーデン)


月暈(ダニーデン)

光環(Corona)

月の光が強い夜、暈とはまた異なった光の輪が、月の周囲に出ることがあります。 その大気現象は光環(こうかん)と呼ばれ、空気中に存在する水滴の粒子に回折した光で作られる大気現象です。その粒子の大きさや何でできているかによって、この輪の 大きさが変わり、特徴的な虹色と月のすぐ近くから輪の層が続く空は、中々綺麗なものです。


光環(ダニーデン)

光柱(Light Pillar)

よくオーロラと間違えられる存在ですが、非常に寒い夜に、空気中の氷晶に地上の街光が反射してできる大気現象です。凍りつくように寒くて空気の澄んだ夜に出やすいです。


オレンジ色に聳え立つ光柱と月夜に照らされる雲(アオラキ・マウントクック)

黄道光(Zodiacal Light)

世界中でも、極度に暗い場所でしか見えない黄道光も、十分に暗いダニーデンの夜空ではみることができます。

天の川の光が銀河系の中にある宇宙の塵を照らして、特徴的な角度で地平線から長い三角形状に光る天体現象です。春分には夕方太陽が沈みきった後に、秋分には朝になる前が、より見える機会に恵まれます。何もない方向に薄い白い光が見えて、惑星が並ぶのと同じ線状に現れます。


黄道光と金星と大気光(ダニーデン)

国際宇宙ステーション・ISS(International Space Station)

人工衛星の中でも、特に大きくてJAXAの毛利氏を含む数多くの宇宙飛行士が滞在してきた、国際宇宙ステーション(ISS)があります。毎年付属するモジュールが増えていくことで、どんどんより明るくなっていて、見応えがあります。 しかも、地球の周りを1日に何周もしていて、現れた時は非常に明るい物体が、すごいスピードで通過するのが見えます。


ISSが日中太陽の表面を通過(ダニーデン)


ISSが日中太陽の表面を通過(ダニーデン)


オーロラの上空を通過するISSの形跡(ダニーデン)

また、イリジュームフレアと呼ばれる現象も見ることができます。人工衛星のイリジュームパネルに太陽の光が反射して 、地上から見ていると一瞬キラッと流れ星のように明るく光る現象です。

逆回転で回る星空

南半球から夜空を見上げていると、星の動きが北半球とは逆向きの時計回りに動いているのが分かります。南極点を中心に回っているのですが、北極星のように丁度良い場所に目印となる星がないため、南十字星を頼りにしたりして、南極点を探します。大まかでも南を見ていると、 1日でおよそ1回転する星空ですので、半日で半回転、6時間で1/4回転とゆっくりですが動いています。しばらく時間をおいて観測すると星が回転しているのが分かります。目安の星を決めて、時間が経つ毎にどれだけ動いたかを確認するのもきっと面白いでしょう。


星の周回をフイルムで長時間撮影(ダニーデン)