ダニーデンを拠点に 星空の下で見える様々な天体現象 [前編]

ダニーデンを拠点に 星空の下で見える様々な天体現象 [前編]

満天の星空の下でオーロラを待っていると、 色々な天体現象や大気光学現象が見えることがあります。 夜空の下にいるといつ何時、リアルタイムで何に遭遇できる幸運が訪れるか分からないのです。 今回はオーロラも含めて、 観測できると嬉しいと思うものを幾つか紹介します。

最近のオーロラ

最近のオーロラ観測の動向です。大きめの活動が4月20日の夜にありました。ダニーデンは、生憎ながらの曇り空で、夕方早くから深夜過ぎまで車で行動できる範囲内では雨も降っているところもあって、活動が活発だった数時間は見えませんでした。そのため、発生し始めた時と終わりだけを写真で捉えることができました。


2018年4月20日 ダニーデン 夕方の緑と紫のオーロラ 

この時のオーロラは、南島最南端のインバーカーギル上空までほぼ来ていたようで、北は北島のウエリントン、クライ ストチャーチと各所晴れているところで大きな光を観測したそうです。


2018年4月20日 ダニーデンから1時間北 深夜の黄色と赤のオーロラ

この後に、また5月6日の夜に小さなオーロラがありました。前回は活動の大きかった時に見ることができなかったので、今回こそは!と胸が高まりました。ですが、思っていた以上に小さいという結果となりました。ピーク時に多少水平線に出てきた程度で、期待をしすぎていたようでした。

 


2018 年5 ⽉6 ⽇ ダニーデン 水辺線に薄く浮かぶオーロラ

ただ、いくつかオーロラ観測可能で初めてのところへ行くことができ、 新鮮な夜でした。何年たってもオーロラを見るのに適した新しい観測地が見つかるくらい、絶景のオーロラ観測地に囲まれているのがダニーデンを含む南島です。


2018年5月6日 ダニーデン 薄い紫色のオーロラ 

オーロラが発生するのには太陽の活動が密接に関係しているのですが、ただいま11年サイクルと言われている太陽活動周期の極小期、謂わば太陽の活動が低くなる時期に向かっているのです。


NOAA/SWPC太陽黒点チャート

そのため、だいぶオーロラの発生数と大きいものの出現率は低くなってきています。それでもたまにオーロラが見えることもありますし、大きなオーロラがいつ訪れるか分からないので、気を緩められません。

オーロラの他にも色々楽しもう

オーロラが見えなくても、南島の満天の星空は世界でもトップクラス、暗いところにいると他では中々見えない貴重なものがたくさん見えたりします。

先日は、足を伸ばしてミルフォードサウンドに行ってきました。6時間のドライブをする中、見る見る景色が変わって、秋のミルフォードサウンドに到着しました。ダニーデンからの道中、ほぼ全域が曇りだったのですが、ミルフォードサウンドの近くにたどり着くと雲が薄くなってきました。予報では夜は晴空だったので、期待が高まりました。

たとえ曇りでも、雨でも美しい場所なのですが、星空を見る上では晴れていないと困ります。その ため 、夕焼けが水面に反射して、素晴らしい鏡面となっているのを見ていても、雲があるのが気がかりでした。


ミルフォードサウンド 夕焼けとマイターピーク

大気光

でも、夜が深まると雲は消えていき、一晩中満天の星空に恵まれました。ミルフォードサウンドのマイターピークをメインに色々と構図を変えて写真を撮っていると、大気光(エアーグロー)が神々しくカメラに映っていました。新月近くだったので、暗くて非常によく大気光が見えました。

目では薄い雲のようにも見えるのですが、大気光学現象の一種で、地球の大気上層が、太陽紫外線や宇宙線や窒素と酸素など、様々な化学反応によって発光する現象です。


ミルフォードサウンド ⾚い⼤気光とマイターピーク

天の川と銀河核(Galactic Center)

天の川(ミルキーウェイ)も良く見えます。日本など北半球では見えない部分がたくさん見えます。天の川銀河が回転する中心にあたる銀河核(ギャラクティックセンター)も、今の季節は良く見えます。一番明るく見える天の川の銀河核の中心には、ブラックホールがあるではないかと言われています。


ダニーデン 天の川と銀河核

天の川と国鳥キーウィ(Galactic Kiwi)

そして、ニュージーランドでは知る人ぞ知る国鳥のキーウィが、その銀河核の近くにいるのが見えます。


天の川とキーウィ

良く見ると毛がふさふさしていて、足も目もあります。中々可愛いものです。 このキーウィは、「ギャラクティック・キーウィ」や「キーウィ・イン・ザ・スカイ」などと呼ばれ、親しまれています。実は北斗七星もそうなのですが、このキーウィも星座ではなくローカルな星群(アステリズム)と呼ばれる類のものです。


キーウィ

流れ星と流星群

そして、今回の表紙にもなったように、羊がたくさんいる中で流れ星がたくさん見られることは確実です。 暗い所であれば割といつでも簡単に目にすることができます。流れ星も、長いもの、短いもの、太く尾を引くもの、早いもの、ゆっくりに見えるもの、とても明るいものなど、バラエティーが豊富で一つとして一緒の流れ星はないので、いつ見ても楽しいものです。中には、願い事を幾つも唱える時間がありそうなくらい、長く流れていくものもあります。

そして、流星群が訪れると、より多くの流れ星を見ることができます。こちらは、地元ダニーデンの天体家スティーブン・ボス氏が、一晩かけて捉えた流星群の写真です。流星群の場合は、空のとある方向から流れ星が降ってきます。


ダニーデン・オタゴ湾 流星群(天体家スティーブン・ボス氏撮影)

どの流星群かによって燃える素材が異なるため、流れ星の色が変わります。こちらの写真では、流れ星が燃える際の特徴的な色と、燃えていく際に色が変化していくのが見えます。


ダニーデン 流星群 (天体家スティーブン・ボス氏撮影)

この他にも、まだまだ色々と暗い中で見ることができるものがあります。 続きは、次回また紹介いたします。